家族葬は都心部に住んでいる人が選択する葬儀の形式と思われがちです。確かに、家族葬は都心部を中心に広まりました。しかし、最近は地方にもその波が押し寄せています。地方ではその土地のしきたりによって、葬儀を行うことが多かったです。
ですが、高齢化が進んだことにより、昔ながらのしきたり通りに葬儀を行うことが難しくなっている地域も増えてきました。そう言うこともあって、家族葬を選択することが地方でも珍しくなくなってきているわけです。ちなみに、家族葬は規模が小さい葬式と言うイメージを抱いている人も多いですが、そうとは限りません。
確かに、10人前後の身内だけで行うこともあります。しかし、従来の葬式と同じくらいのお金をかけ、盛大に行うことも珍しくありません。ホームパーティーのような家族葬もわりとポピュラーです。
現代の葬儀の原型となる形態は、明治時代に始まったものであり、その形態が確立されたのは昭和のはじめ頃です。現在一般的に行われているお葬式は、この形態が引き継がれ、変化しています。しかし最近ではその形態で執り行うお葬式の需要が少しずつ減少してきているようです。
明治時代や大正時代において葬儀は、形式が重視されており、参列者の人数や祭壇の豪華さを競うようなものも多くありました。しかし、今ではそんなにたくさんの人に参列してもらいたいと希望している人や、立派な祭壇がほしいと考えている人は少なくなってきています。
そのため近年は、個人の気持ちや遺族の希望に寄り添うような葬式を希望し、また行うことも珍しくはありません。この傾向は、今後ますます強まっていくはずです。そして新たな葬儀の形態が提案されていく可能性があります。